ポッキーが落ちてる! と思ってよく見ると焼き鳥の串であることが割と頻繁にありまして、その度に「なんだまた焼き鳥の串か……」とがっかりするんですけど何が残念なのか自分でもよくわかりません。

 これと似たような話ですが、僕がまだ大学に通っていた頃、秋の日の宵の口、アパートの自室で講義の課題に取り組んでいると、どこからか「とん、とん、とん」と物を打つような音が聴こえてきました。

 それは絶え間なく不気味に響いていて、作業に集中できなくなった僕は、やだなー怖いなー何かおかしいなーと思いながらもその音の在り処を探り始めたんですね。

 その時の部屋というのが一階の角部屋で、その外すぐ近くに何かを祀った小さな神社があった。なんだかそっちの方から沢山の視線を感じるような気がしてね、なんだろうなーやだなーこわいなーと思いながら薄暗い部屋の中々をうろうろしていたんです。

 暫くすると先ほどの音は消えて、「みし…みし…」という古びた畳を踏むような音と「ギィ…ギィ…」と機械が軋むような音に代わりました。と同時に神社の方から感じる視線もより一層強くなって、僕は、何か近付いてきてるなーこわいなーこわいなーと思いながら、神社とは反対側の、自室と隣室とを隔てた壁に沿うようにして玄関に向かいました。

 その時にですね、その壁からも、隣室からもあの音が聴こえた。「みしみし…ギシギシ…」。挟まれた! どうしようどうしようと狼狽える私に追い打ちをかけるが如く「あん…!」という女性の甲高い不気味な声も聞こえる! ともするとこれはセッ隣室の女性住人に心霊的な危害が及んでいるのでは……!?

 次第に激しさを増す「ギシ…あん! ギシ…あん!」。間違いない、これは男女が上になったり下になったりするやつだ! ぶつかり稽古 on the bed だ! 一昨日もやってたから中1日での出場だ! お化けなんていなかったんや! くそが!

 近付いていたのは隣人のオー●ズムで、挟まれていたのは彼氏のポッキー。神社はただの火防稲荷。視線は気のせい。

 話が落ちてる! と思ってよく見ると下ネタであることが割と頻繁にありまして、その度に「なんだまた下ネタか……」とがっかりするんですけど何が原因なのか自分でもよくわかりません。